学生の頃から数々の戦績を収めてきたCXライダーでありMTBライダーでもある竹之内悠選手。世界でも活躍され、現役選手として活動しながら、現在は立命館大学自転車競技部の監督就任や、京都府のジュニア育成プロジェクトなど、後進の育成も積極的にされています。

そんな竹之内選手の活動を紐解きながら、これから自転車競技を担っていく、次の世代へのメッセージをお届けします。全2回でお送りする今回の記事ですが、第2回目は立命館大学自転車競技部での監督就任など、後進の育成への取り組みのお話を伺いました。

 

『自転車競技に関わって良かったと思える時間』

竹之内悠(以下、T)

「自転車競技として関わるけれど、つき詰めていくと結局人としてどうなのかという所になってくる。自転車競技のみならず、他者との関わり方や大事にしなければならないこと、社会的にみんながおかれている立場など、そういった教育的な側面の方をより意識しています。」

後進の指導にあたり、監督として意識していることを伺った。プロ選手として活躍する中で、監督に就任するきっかけはどのようなものだったのだろうか。就任のきっかけから、学生への向き合い方などを教えていただいた。

MY

「立命館大学自転車競技部の監督に就任された、きっかけはなんですか。」

T

「元々、僕自身が立命館大学の出身で、大学との人のつながりがあリました。そんな中、立命館大学の自転車競技部の監督が数年間にわたり不在だったようで、今の現4回生が監督を探されていて、僕にお話を頂きました。全然、僕で良ければぜひ、という感じで快諾しました。」

MY

「競技との両立が忙しいと思いますが、モチベーションにされていることはなんですか。」

T

「そんなにべったり学生について指導しているわけでもなく、彼らが必要としてくれたり、僕が動かないといけないと判断したタイミングで学生と接しています。いつもいつも監督という偉そうな立場の人間がいたら、学生もしんどいと思うので。

モチベーションと言えることはそんなにないですが、自転車競技に関わって良かったと思える時間にできるようにしようとは考えますね。」

MY

「竹之内選手が影響を受けた人や、今でも忘れない指導者の言葉を教えてください。」

T

「特にないですね。指導者という立場の方にあまり出会ってきた生き方をしていないように思います。自分で考えるように周りの大人の方々が仕向けてくれていたのかな、と今思えば思います。

それでも、今、深く接して頂いている東洋フレームの石垣社長をはじめ、そのチームの方々や、ベルギーでお世話になった橋川さんをはじめ、多くのベルギー人やその環境には、それぞれの世界での戦い方、向き合い方を教えて頂きました。」

MY

「それでは今後、後進の育成にあたり、やってみたいことはありますか。」

T

「こうしてやろう、ああしてやろう、、などは特にないです。やってみたいことってこともなく、、強いて言えば色々なものを見せたい、感じてほしいぐらいです。去年は東洋フレームさんの協力のもと、部員みんなを促して、シクロクロスを走ってもらいました。自転車競技をする上で競技でしばりがちだけど、できるチャンスがあるなら色んなことにもどんどん挑戦してみてほしい。それで苦手と感じるのもまた一つ経験にもなるし、もちろん続けたらまた新しい発見もある。切り口を増やしたいなとは思ってます。」

世界で戦ってきた竹之内選手だからこそ、自身の経験を活かした指導をされていると感じた。最後に監督をしていて嬉しかった瞬間をお聞きした。

T

「ないですね。今のところ。(笑)

まだ僕自身も手探りですし、部員に対してもまだまだ何もできていません。時間のかかることですし、トップダウンでやり過ぎても何も本当の意味で続かない。今は流れを作っていこうと思っています。」

 

『僕は世界へ挑んでいる状態です。』

T

「僕は世界で活躍できているのかとまず疑問に思います。もう一つ上のレベルにいかないと活躍とは言えないです。僕は世界へ挑んでいる状態です。

僕をトップと言えるなら、他者との違いはどれだけ海外にいて、リアルなものを見ているか、またそれらを経験させてもらい、自分に落とし込み、そこから逃げずに立ち向かってるか、です。」

プロとして、トップ選手として世界でも活動し続ける竹之内選手の考える「プロ」とは。第一線で走り続ける選手の考え方を教えていただいた。

MY

「憧れの選手や、憧れのスタイルはありますか。」

T

「どんな競技でも分け隔てなく、こなせる力。競技力や考え方。それがほんとの世界レベル。これを目指してずっとやってきました。僕の過去の取り組みや成績を見て頂けるとわかると思います。それを世界一レベルでやっているマチュー選手には憧れというか、羨ましい、やられたな、というような尊敬に近い気持ちは持っています。」

MY

「絶対にプロになる!と決めたのはいつですか。また、プロになれる素質があるのに、なれなかった人たちは、何が足らなかったと思いますか。」

T

「これは、、どうでしょうか。そもそも自分がプロなのかと常日頃疑問に思っているので、あくまで僕自身の環境やレベルがプロと仮定するなら、どれだけ向き合えたかだと思います。プロになるというのも、特にいつ決めたというのはないです。自然とそう流されているように思います。自然な選択でした。」

MY

「プロとして活躍するのに一番大切な技術はなんだと思いますか。」

T

「プロになる過程がそれぞれの選手、いろんな形があると思います。スポンサーの力だったり、経済力、競技力、エンターテインメント性や人間性だったり、プロという形は多面的なものだと思います。それぞれの形があると思うので、自分の持っているものを活かしきるのがプロではないかとも思います。」

 

『自転車にまた乗ってしまうということが全て』

最後に長年、自転車に取り組み続ける竹之内選手の原動力とは何か。また、今後の目標を伺った。

MY

「自転車をずっと好きでしたか?好きでいつづけた一番大きな理由はありますか?」

T

「好き嫌いの範疇で判断できるものではなく、一日三食の食事と同じように、常に自転車に関係することを考え、どうしたらいいんだろう、とその時々に応じて思い続けてます。好きでい続けたというのは、それが自転車から離れていないという解釈をするなら、自転車にまた乗ってしまうということが全てです。」

MY

「厳しいレースにチャレンジし続けるためには、リフレッシュも必要だと思います。

オフの過ごし方を教えてください。」

T

「これは本当に課題で、僕がベルギーのコンチネンタルチームに所属している時に、パフォーマンスを年々落としてしまった原因だと思っています。リフレッシュというか、頭の切り替えが下手で、猛進してしまったという反省が大きいです。だから、今はベルギーのクロスシーズンでも、オフを多くとり、オンとのメリハリを多くしました。オフの過ごし方、、、まぁベタな感じで甘いもの大好きなので、おいしい甘いもの食べて、コーヒー飲んで、ポワーンってする感じですね。最高です。」

MY

「最後に今後の目標を教えてください。また、竹之内選手が夢を叶えるためにしていること、継続していることはありますか。」

T

「今後の目標はもちろん僕自身の競技力の向上で、本当の意味でベルギーなど欧州のUCIレースで20番以内で走るパフォーマンスをもう一度目指せるところにいきたい、過去の良かった時期より上で走りたい、その先のステップを登りたい、そこを常に目標にしています。夢という夢はまだ見つけられていないですが、何かあるなら今続けていることのその先になにかあるのかなとは思います。

継続していることは、自転車について常日頃考えていることでしょうか。今もまた脚のしびれで自転車には乗らないという選択をしていますが、これは今後乗るための乗らないという選択なのでもう乗ってるのと同じです。(笑)そんなよくあるようなかっこいい継続することなんてなにもないです。ただ、どうすればいいのか、それだけです。

競技者として、指導者として様々なお話をしてくださいました。現役選手としてのご活躍や、後進の育成・指導など、トップ選手として幅広く活動される竹之内選手の今後のご活躍が心から楽しみです。