1965年創業のオーダーメイド自転車の老舗ブランド「CHERUBIM」の代表である今野さん。北米で開催されるハンドメイドバイクショー「NAHBS」でも受賞常連のフレームビルダーであり、彼が作る機能美あふれるスチール製自転車は世界的に評価されている。第一回目では、自身が代表を務めるCHERUBIMの成り立ちから、先代と自身との関係性、フレーム製作に込める想いについて話してもらった。日本を代表するビルダーとして、これまでも多くの取材を受けてきた彼だが、第二回目は他メディアではあまり明かされていない、よりパーソナルな部分に踏み込んだ。普段の取材ではあまり聞かれないであろう質問に、言葉が詰まりながらも真摯に、丁寧に答えてくれる姿勢が印象的だった。

海の向こうで出会った同志たち

-今野さんが海外のショーに出られるようになったのはいつ頃ですか?
2009年のNAHBSからですかね。ちょうどその頃には日本の大規模な展示会も「ビジネス感」が少し強くなっていたというふうに感じていて…。

-確かに、見本市としての側面が色濃く出ていますね。
自分たちのような個人のビルダーの出展者もなく、居場所として違和感を持っていたこともあったのかもしれない。「日本のショーなのに日本で作ってるのって自分らだけだ」みたいな。でも、NAHBSも最初は本当に観にいくだけのつもりだったんですよ。ただ、妻も一緒にいこうって中でやっぱりアメリカだし旅費が一番高くなるじゃないですか?だったら作ってけよって 笑。最初はそれぐらいから始まってます。

-もともと海外に対しては興味はあったんですか?
NAHBSは純粋に作る人たちのショーだから、行ってみるとやっぱり面白味がありましたね。製作時に使用する治具や、パイプなどの材料が売ってたり、「自転車を製作する側」のため展示会でもあるんだなっていう面でも単純に衝撃受けました。日本ではまずそんなの無かったから。

そうなんですね。そんな中でも早速受賞されたんですよね。※初出品で「Best Track Frame」と「President’s Choice」の2冠を受賞
そうですね。今思うと、そういうのも含めて結果的に出展したことは大きいと思います。それこそSNSやWEBメディアも活発になっていた頃だったから、きっかけとしてNAHBSによってCHERUBIMの世界が広がったっていうのはあると思います。

-日本国内にも同様の展示会は存在しますが、NAHBSとの違いって何かありますか?
出展の要項にも「プロ意識を持って取り組むべし」的なことが記載されていたりとか、「年間で一定本数のフレームを製作していること」などの条件があったりとか、出展者側に求めることも何気にしっかりと管理・審査されていて、それがショーとしてのクオリティにつながっているのかな、と思います。あとは、日本だとショー当日に展示するフレームのみを送って代理展示みたいなことも多いのですが、NAHBSは「見せること」まで含めて上手な人も多いですし、何より出展する本人たちがショー当日を心待ちにしていたような印象すらありました。

-実際参加されてみて印象に残っていることは?
いろいろ衝撃を受けたのですが、あの時自分の中で感じた一つに、「5年後10年後、日本も今後こうなるだろうな」って思いは直感的にあって。実際に今振り返ってみると、国内であれほどの展示会自体はまだまだかもしれないけど、業界を取り巻く環境は確実に変化して、結構近いものになったのかなって思ってます。それこそ若い子がフレーム作るようになったり、自転車のための学校ができたりとか。言い方悪くいうと、アメリカの真似みたいな部分もなくはないのかもしれないけど、これってやっぱり業界にとってはよかったことだと思います。

-確かにあのイベントは一般的な見本市とは空気感がまったく違いますよね。
そうですね。世界のいろんなところから集まってきたフレームビルダー本人たちが、仲良くなったり情報交換し合うことを、彼らが心の底から楽しんでる。当人たち同士の情報交換だから、情報の純度も速度も優れてますし。

-やっぱりアメリカの自転車カルチャーとの出会いって今野さんの中では大きかったんでしょうか?
言われてみれば…そうですね 笑。彼らが作るものというよりは、何よりあの空気感っていうか。「製作者同士の横のつながり」っていうか、そういうものに感銘を受けました。日本の自転車業界ってそういうのが少ないじゃないですか。自分もそれまでに、あまり横のつながりを感じたことがなかったから、単純に「いいな」って思ったのを覚えてます。

2012年のNAHBSでの受賞の様子

父から学んだこと。「自分で考える」ということ。

-先ほど少し話が出た、今野さん自身が教鞭を取られているサイクルデザイン学校について教えてください。
ビルディング、メンテナンスやデザイン、貿易のことなど、自転車において全般を教える学校なのですが、その中でも僕はビルディング担当です。今は全生徒約200人のうち、ビルダー志望は2割ぐらいですかね。開校当初はやっぱりビルダー志望ばっかりでしたが、いい意味で幅広くなったのかなと。たまに学校自体をフレームビルダー養成所的に思われたりしがちですが…笑。実際はそんなことはなくて、内容的に専門的なだけであって、一般的な学校です。学生は正に老若男女、色々なタイプの学生が居てバラエティーに富んでます。中にはクロモリフレームに初めて触れる生徒も多くいますよ。

-なるほど。ちなみにすぐに「教える」ことになじめたんですか?
慣れないです。(自分の工房も含め)教えることは長年やってますけど今でも馴染めないですね…笑。
まあでもそれは他の講師の方もそうというか、皆さん元々が「先生」なわけではないのがいいところだったりもするんですよね。他にも個性的な講師がいらっしゃるので…。

-笑。そうなんですか。
まあでもそれはさておき、こういう依頼を受けること自体はすごく幸せなことだと思っていて。後は、やっぱりこういう専門的な教育が行き届いて初めて、文化っていうのが成熟していくのかなという思いもありますし。なので自分も、慣れないながらに楽しくやらせてもらってます。それこそ卒業生で何人かは研修としてうちに来てもらったりもしてますよ。

-それは、いい環境ですね!
実際就職するってなったときには、小売店だったり、メーカーだったり、出版社であったり、それぞれあると思うんですが、どの道に行ったとしても、やっぱり「ものを作ったことがある人間」というのは後々どういう職種についたとしても活きてくるとは思っていて。違うインスピレーションを持っていたり。

日本初の自転車専門学校である『東京サイクルデザイン専門学校』では講師を務める
アメリカで最高の美術系大学とされるRISD(Rhode Island School of Design)での講演会の様子

-ちなみに、今野さん自身から考えると、今の世代は恵まれてると思いますか。
そうですね…。もちろん環境が恵まれて便利になりすぎることの良し悪しはありますけど、それもやっぱり本人の姿勢次第なのかなとは思ったりもします。実際に、僕が父から一番何を教えてもらったかっていうと、「自分で考えるんだ」ということですよね。父がそういうタイプの人間だったから。「こういう時どうしよう」ってなっても自分で考えるんだっていう考えさえあれば割となんとでもなるというか。根本的にこの部分が欠けちゃってると、なかなか難しいとは思いますが、そういう感覚をしっかり持ち続けられれば、やっぱり周りの環境は良いに越したことないのかなと。

-教えるにあたって意識されてることはありますか?
僕の考えではあるかもしれませんが、専門学校っていうのは、ある種の「型」を教えるところだと思っていて。自転車に限ったことではないと思いますが、型を知らないで応用をするとやっぱりパッとしなくなっちゃうんですよね。課題というのもあって、自由に自転車を作っていいとなるとやっぱり派手な装飾に行きがちなのですが…。自分自身は子供の頃から気になることは聞ける人が近くにいたし、環境が恵まれていた。でもやっぱり基礎としてそれがあるから助けられる部分は大きいんです。逆に型がない中での「自由」って、意外と伸び代がないと言うか…。なので、生徒にはまずはそこを徹底的にやってもらうようにはしてます。そうやって基本的な「型」を徹底的にやって習得した人のその先の可能性は…計り知れないですよね。これは日本人の精神論みたいな部分にも繋がるとも思っています。

-なるほど。ちなみに、今野さんってデザインの部分で誰かに師事を受けられたとかはあるのでしょうか?
デザインに関しては独学ですね。ただ、父がもともとデザイナーに対する敬意がかなりあって。「あれが一番かっこいい仕事だ」っていうのをずっと言っていた記憶があります。やっぱり子供ながらにそういう言葉を聞いていた影響はあったのかなとは思います。
後は、僕には姉がいるのですが、どちらかと言うと姉はそういう言葉を受け取っていたのかもしれないですね。彼女はもともと大手化粧品メーカーの入れ物やパッケージをデザインする仕事をやっていて、結婚して退職後はうちでデザイナーとして一緒にやった時期もありました。

-そうなんですね。今野さんがデザイン性の高い車体を追求されるのはお姉さんの影響もあったりするんですか?
んー…。あまりないかな 笑。でもやっぱり、父がそうだったように、イタリアなどに代表されるヨーロッパメーカーの自転車からは影響受けているかもしれません。父たちのお手本でもあり、やはり自分もそこはお手本ですよね。あと、僕はちょっと特殊かもしれませんが、本格的にやるぞってなった時から「こういう自転車が欲しい」っていうのがあって。それこそ小さい頃からおもちゃはディレイラー(変速機)だったりカンパニョーロのエンドだったりしたので 笑。小学校3年ぐらいの時に初めて父に自転車を作ってもらってたんですが、その時もまあうるさかったですね。自分で言うのもなんですが…。そうやって自分の「欲しい」と言うイメージがあったから、父とはよく衝突はしましたが、良く言えば切磋琢磨してというか、今思えば父もやりたいように何でもやらせてくれていたのかなと言うのは思います。

イタリア・ミラノで開かれる美術やデザインの展覧会「ミラノ・トリエンナーレ」。チューブメーカー「コロンブス」のプロデュースによる企画展「New Craft」においてCHERUBIMのフレームが展示。そのデザイン性の高さは自転車業界のみならず世界的に注目されている。

-ちなみに、ショーモデルと、販売するものとして製作する中で、どっちの方が楽しいとかってありますか?
そうですね…どちらもいいところとそうでないところというか…。例えば販売する車体だと、やっぱりその先にお客さんがいるって言うことのやりがいはあります。後は乗り物としての責任、使命感ももちろんありますし。作ったものに対して喜んでくれる人だったり、乗ってくれる人だったりがいるって言うのはやっぱりいちばんの歓びかな。もちろんショーバイクはショーバイクで、使命感というものではなく、もう少し緩い感覚でできるかな…自由にできる歓びはやっぱりあります。

-クロモリ以外の素材が台頭して久しいですが、競輪以外の競技の現場でもクロモリでも全然劣らないという思いがありますか?
僕自身、クロモリが他の素材に比べて優劣がどうとかの先入観はあまりないですかね…。ただ、僕自身は単純に競輪以外の競技の現場においてもクロモリという素材の可能性があると確信があってやっています。そこは一貫してるかな。だからってアルミやカーボン、その他の素材が優れていないわけではないですし、自分も興味がないわけではないですし。クロモリという素材は古くからあるため、世の中的にどうしても「懐古主義」という側面はあるのかな、とは思います。ある種のノスタルジーというか。もちろんそういう面があるのも事実なんですが、なんていうか…僕の中ではクロモリだからノスタルジーというわけではなくて、現代においても進化する余地はあるし、自分もその性能としての進化を追求して作っているという感じでしょうか…。

-職場に関してのこだわりってありますか?
工場は一番大事な場所ですね。環境も良くあり続けたいし、働くみんなも気持ちよく働けるような場所でありたいと思ってます。今だと単純にもう少し広さを広げたいとは思います。職人の数に対してのスペースが手狭になっちゃってるので。

-例えば他の工房を見られることとかってあるんですか?
そうですね…そういう機会もありますし、興味もあります。雑誌に載ってたりしたらそれこそ虫眼鏡で見てみたりとか 笑。でもそれぐらい興味はありますね。やっぱり常に「こうしたい」って言うのはありますね。例えば、納期も今は10ヶ月前後ほど掛かってしまってるんですけど、やはりそれがいいこととは思ってなくて。自分たちがそこを縮めていかないことには、オーダー自転車っていうものがもう少し身近なものにはならないのかなって思います。もちろん、一般的には外注ブレーンに出すということが生産効率を上げていく手っ取り早い方法なのですが、それを質を落とさず自社の生産範囲でどこまでいけるかって言うのが課題ですね。

-行き詰まる時の気分転換はどういったことをされますか?
やっぱり自転車に乗ってたりしますよ。どれだけ自転車なんだよって思いますけど 笑。

-いえ。イメージ通りは大事です 笑。ちなみに自転車以外だと何かありますか?
自転車以外で言うと…そうですね。車いじったりも好きですし…後はギターとか…。
体を動かすことが意外と好きですね。昔はサーフィンなんかもやってましたし、最近はランニングもはじめましたし。

-すごく多趣味なんですね!ちなみに車は何に乗られてるんですか?
FIATpanda と3500ccのメルセデスに乗っています。両極端な車ですが、どちらも機能美に優れています。

-何気にヨーロッパ愛を感じます。ちなみに乗るか、いじるかで言うと?
結局、いじるのが好きですね 笑。乗り物好きと言う点は父もそうでしたね。その当時ドカティとか乗ってました。

-…ちなみに音楽はどういったものがお好きなんですか?
音楽は古めのロックとかですかね、、60〜70年代あたりの。物も音もプリミティブな物が好きなんです。一時期はお客さんとバンドを組んでたりもしてました 笑。

-…多趣味ですね 笑!もしかしてギター作っちゃおうとかも考えたりもしなかったんですか?
ギターは…確かに、作ろうと思ったことありましたね 笑。

楽器や愛車のコレクション。ベーシックでありながら、長く愛されている名品の数々は今野さんのものづくりにもどこか共鳴しているようにも感じる。
町田のショールームではそこかしこに今野さんを形作る片鱗が見られた。

これからのオーダー自転車のあり方、そして自分の「いい自転車」を追求する。

-ではここからはさらにプライベート度高めで…。父である仁さん以外で、あえて挙げるならば影響受けた方っていらっしゃいますか?
先ほど少し話に出た、創業当時に父が一緒にやっていた梶原さんのフレームは好きですね。
もちろん父と親しい人だったので、梶原製作所にも何度か出入りしましたし。
それこそ昔は彼の偉大さとかは理解していませんでしたが、自分がこうやってフレームが作れる様になって父のフレームの世界観は梶原さんと共に作られたんだなと思う部分も多くあります。そうなってくると僕も影響を受けているのが当然の流れで、いわばフレーム作りに於いては半分父、半分梶原さんみたいな錯覚もあります。

-ちなみに今注目されてるビルダーっていらっしゃいます?
いっぱいいて難しいですね…。まず前提として競輪のビルダーさんは自分の中では尊敬する所ですし。このフレームのここの仕上げが凄いだとか、剛性だとかデザインだとかはもちろん一通り語れるのですが、それを語るとどうしても軽率になってしまうというか…料理評論家みたいで何だか違和感を覚えてしまうんです。
それよりも、「例えば自分だったら誰のフレームをオーダーするか」とかそういう考え方の上での話なら。

-ですよね…。その方向でお願いいたします。
それだと、例えばアメリカだとDonWalkerとかですかね。

-まさにNAHBSの主催者の方ですね?
そうですね。Donさんの自転車はオーダーしてみたいなって。ただこうなってくると自転車がいいとかそう言うのを超越して本当に「知り合いだから」とか「人柄」みたいなところですが。彼は僕らがアメリカに行くと家に招待してくれたり毎晩食事を楽しんだりして、日本にも招いた時は日本を案内したりと親交が深いんです。他にも向こうで知り合った人には何人か頼んでみたいなあって言う人がいてますよ。後は…それこそ国内だったら細山さんとかですかね。彼は父の代にケルビムでも働いていたし工房も近くサイクリングに行くとよくお会いするんですよ。なんて言うか、結局ものづくりだから、やっぱり相手でありお客さんのことをどれだけ考えられるかというところなのかなと思っていて。そこを追求していくといいものができてくる。だから彼らかな。

-なるほど。
例えばアメリカだと、みんなローカル意識というか自分の街でビルダー探して、その人にオーダーしたりするんですよね。そうやって自分の街を盛り上げるみたいな。そうすると自分も楽しいし、もっと言うと、相手も変なことしないし。なんだったら彼らは、そもそも海外であったり、遠いどこかの国からオーダーが入るとか、そういうことをイメージしていない人が多い。そういうのでやっていないというか。

-わかります。国柄もあるでしょうけど、そう言うところはすごくピュアというかナチュラルですよね。
日本はそういう文化は少ないのでそこも考え直してみるのもいいのかなと。それこそ町田だったらCHERUBIMで作るか、みたいなそんな感じ 笑。もちろん、そもそもそりが合わないとか、いろんな条件でそうできないことも多いんだけど….そういう「イメージ」を持つことだけでも違うのかなっていうのは自分の中ではあって。知り合いだとか、地元が一緒だとか。さっきまでの競輪の話では性能のことをあれだけ言っておいてっていう矛盾はあるんですけどね 笑。
でも本当に、結局は選手とのコミュニケーションや、その中で選手の想いをどれだけ汲み取れるか、みたいなところもやっぱり大きくて。そこも大きい意味で「性能」の一つなんですよね。ただ優れた自転車だけ機械的に作っていればいいかというとそうではなくて。例えばそうやって作ったものを人伝いじゃなく選手まで直接持っていって渡すとか、そういうことの積み重ねで。

-「誰に作ってもらうか」とか「誰から買うか」みたいなところですよね。
そうですね。むしろ性能が良いのは当たり前だと思ってます。ユーザーにとって、どう言ったものを買うかはもちろんなのですが、誰から買うかっていうのも非常に重要な気がする。その上で、値段なのか、ローカルなのか、人柄なのか。そこは所謂「性能」から一歩進んだところなのかなと。多分、これから世の中それが、よりはっきりと現れてくるんじゃないかなって気はしてます。

-ユーザーの方も、以前に比べてかなり情報が増えているので、選択肢も増えて…と言う部分で、いい影響も悪い影響もあるかもしれませんね。
例えば自転車のフィーリングにおいても、「自分はそういう感覚がないから選べない」という方も意外と多くいらっしゃいます。でも全然そんなことはなくて。単純に自分がどっちがいいかっていう感覚は「気持ちいいか、悪いか」とか、そういうシンプルな自分の感覚で十分なんです。誰か選手が乗っているから、雑誌で書いてあったから、とか、もちろんそれもきっかけとしてはいいんだけど…。誰もが「基準は自分の中にある」っていうのは信じてもらっていいのかなって思います。

-最後になります。今後の展望はいかがですか?
実は近いうちに、町田駅の方にショールームを併設したカフェを作ろうと計画してます。

そうなんですね!それはビッグニュース!
そうですね。どこまでできるかわかりませんが、今のこの場所よりももう少しブランドとしてのCHERUBIMの世界観を感じてもらえるような、かつ気軽に入っていただけるような空間にできればと思って、いろいろ企み中です。

-楽しみです。
計画中のカフェもそうですが、「オーダーメイド」というものがより身近なものになって欲しいというか、「自転車ってオーダーできるもんなんだよ」っていう考えが一般に浸透していけば嬉しいなって思ってます。周りでも「一生のうち、いつかはオーダーしてもいいよね。」っていう話は良く聞くんですよ。でも実際は価格的にも既製品と比べてものすごく高いわけでもないし、人生の中で何回オーダーしてもいいわけだし 笑。ただ、やっぱりユーザーからすると思いを伝えることが難しかったり、例えば僕たちだと納期でお待たせてしまったりとか、っていうのでハードルを上げてしまってる部分もわかるので、そこも自分たちが改善していかなければいけない。そう言うところはこれからも挑戦していければなと思います。
あとは製作だと、この一年ほどはコロナウイルスによって色々なイベント、ショーが中止になっちゃいましたけど、海外のショーのために製作しているショーモデルはしっかりと作り上げようと思ってます。
これらの中で、やっぱり今後も自分の中の「いい自転車」を追求して行くのみですね。

今野真一(Shinichi Konno)

東京生まれ。1965年創業のオーダーメイド自転車の老舗ブランド「CHERUBIM」を父・仁氏より継承し、機能美あふれるスチール製自転車を作り続けるフレームビルダー。“伝統と革新の融合”をコンセプトに、NJS認可のレーサーはもちろん、独創的な小径車などありとあらゆる車種を製作。その圧倒的な技術力、パーツの細部までこだわり抜いた精巧な造形美は、世界中から高く評価されている。毎年北米で開催される世界最大のハンドメイドバイシクルショーNorth American Hand made Bicycle Show(NAHBS)にて2年連続の2冠達成。世界初の規模となる自転車専門学校(東京サイクルデザイン)の講師を務め若手育成にも精力的に活動している。