新築なのに壁にひび割れなぜ起こる?

「新築の家なのに、もう壁にひび割れが…」ショックを受けるとともに、原因が分からず不安になる方も少なくないでしょう。新築住宅でクロスのひび割れが発生する原因は、主に建材の乾燥収縮と、施工時の問題の2つに分けられます。まず、建材の乾燥収縮について説明します。木造住宅の場合、木材は湿度によって収縮と膨張を繰り返します。新築時は、木材に含まれる水分量が多いため、時間が経つにつれて徐々に乾燥し、収縮していきます。この収縮によって、壁の下地となる石膏ボードや、その上に貼られたクロスに引っ張る力がかかり、ひび割れが発生することがあります。これは、自然現象であり、ある程度は避けられない現象です。特に、新築後1~2年は、木材の乾燥収縮が最も活発な時期であり、ひび割れが発生しやすい時期と言えます。次に、施工時の問題についてです。クロスを貼る前の下地処理が不十分だと、ひび割れが発生しやすくなります。下地となる石膏ボードの継ぎ目やビス穴は、パテで埋めて平滑にする必要がありますが、この処理が不十分だと、下地の動きにクロスが追従できず、ひび割れが発生してしまいます。また、クロスを貼る際に、空気が入ったり、シワが寄ったりすると、そこからひび割れが発生することもあります。新築住宅のクロスのひび割れは、ある程度は避けられない現象ですが、施工業者によっては、ひび割れが発生しにくいように、様々な工夫を凝らしている場合があります。例えば、乾燥収縮しにくい木材を使用したり、石膏ボードの継ぎ目を減らすような工法を採用したり、伸縮性の高いクロスを使用したりするなどの対策があります。もし、新築住宅でクロスのひび割れを発見した場合は、まずは施工業者に連絡し、原因を調査してもらいましょう。多くの場合、無償で補修してもらえるはずです。ただし、あまりにもひび割れが酷い場合や、何度も同じ場所にひび割れが発生する場合は、建物の構造的な問題が隠れている可能性もあります。その場合は、専門の業者に調査を依頼し、適切な対策を講じる必要があります。新築住宅のクロスのひび割れは、残念ながら完全に防ぐことは難しいですが、原因を理解し、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。