毎日の洗濯を支える洗濯機。しかし、ある日突然動かなくなったり、いつもと違う挙動を見せたりすると、私たちの生活は途端に不便になります。洗濯機が完全に壊れる前に現れる「兆候」を見逃さないことが、早期の修理や買い替え、そして出費を抑えるための鍵となります。 まず、最も分かりやすい兆候は「異音の発生」です。洗濯中に「ガタガタ」「ゴロゴロ」「キーキー」といった普段聞かない大きな音が出始めたら要注意です。これは、モーターやベアリング、クラッチなどの内部部品が劣化したり、異物が挟まっていたりするサインかもしれません。特に脱水時に激しい振動を伴う異音は、重度の故障に繋がる可能性が高いため、放置せずに電源を切り、一度点検してみましょう。 次に「脱水がうまくいかない」という症状も、故障の重要な兆候です。洗濯物は洗えているのに、脱水が終わっても水が滴り落ちるほど濡れている場合、脱水槽の回転不良や、排水システムの異常が考えられます。これは、モーターのパワー不足や、排水弁の故障、あるいは排水ホースや排水口の詰まりなどが原因であることがあります。そのまま使い続けると、他の部品への負担も大きくなり、さらなる故障に繋がる可能性があります。 「水漏れ」も、見逃せない重大な兆候です。給水ホースや排水ホースの接続部からのわずかな水漏れから、洗濯機本体の底からの漏水まで、水漏れの場所や程度は様々です。水漏れは、水道代の無駄だけでなく、床の損傷、カビの発生、さらには階下への漏水事故にも繋がるため、発見したらすぐに電源を抜き、水道の蛇口を閉めて対応しましょう。 その他、「電源が入らない」「途中で止まる」「エラー表示が頻繁に出る」といった症状も、洗濯機内部の電気系統や基板の故障、センサーの異常など、重大なトラブルを示唆していることがあります。これらの兆候に気づいたら、取扱説明書を確認し、それでも解決しない場合は、早めにメーカーや修理業者に相談することが、洗濯機を長持ちさせるための賢明な判断と言えるでしょう。