家中の排水管を悩ませる詰まりや悪臭の真犯人は、私たちの生活から日々排出される様々な汚れです。これらの汚れの種類と特徴を理解することで、より効果的な予防と対策を講じることができます。 まず、台所の排水管にとって最大の真犯人は「油汚れ」です。調理で使った油や、食器に付着した油汚れがそのまま排水溝に流されると、排水管内で冷えて固まります。この固まった油に、食べカスや洗剤カスが絡みつくことで、非常に頑固な「油の塊」や「ヘドロ」が形成されます。特に、熱いお湯で流しても、排水管の途中で冷え固まる可能性もあるため注意が必要です。この油の塊は、雑菌の温床となり、悪臭の主要な原因となります。 次に、浴室や洗面台の排水管の真犯人は「髪の毛と石鹸カス、皮脂汚れ」です。シャンプーや洗顔、髭剃りなどで流れる髪の毛は、水に溶けることなく排水管へと流れ込みます。そこに、石鹸やシャンプー、ボディソープの泡が残した石鹸カス、そして体から出る皮脂汚れが絡みつくことで、排水管の内側に強固な「ヘドロ」となって付着します。このヘドロは、髪の毛が網状に絡まることで、水の流れを効果的に阻害し、詰まりを引き起こします。また、カビや雑菌が繁殖しやすいため、独特の不快な臭いを発生させます。 洗濯機の排水管の真犯人も、浴室と同様に「衣類から出る糸くずや髪の毛、洗剤カス」です。洗濯中に衣類から剥がれ落ちる細かい繊維や髪の毛が排水管に流れ込み、洗剤の溶け残りや皮脂汚れと混ざり合うことで、排水管の内側にヘドロとなって付着します。これが水の通り道を狭め、洗濯機の排水不良や悪臭の原因となります。 これらの汚れは、単独で存在するのではなく、複合的に絡み合って排水管の内部に強固に付着することが特徴です。特に、排水トラップと呼ばれるS字やP字に曲がった部分や、排水管の勾配が緩やかな箇所に溜まりやすいため、日頃からの予防と、定期的な洗浄が欠かせません。