アシナガバチは毎年春から夏にかけて巣を作り、活動を活発にします。巣が大きくなってから駆除しようとすると、働きバチの数が増えて危険が伴うため、適切な時期に対策を講じることが大切です。アシナガバチの巣作りが始まるのは、春先の4月から5月頃です。この時期には、冬眠から目覚めた女王バチが単独で巣を作り始めます。巣の大きさはゴルフボール程度と小さく、まだ働きバチもほとんどいません。この段階で巣を取り除くことができれば、比較的安全に駆除できます。女王バチは単独で行動しているため、駆除スプレーを使えば一撃で対処できることが多いのも特徴です。定期的に軒下やベランダ、庭の木の枝などを確認し、小さな巣を発見したらすぐに駆除するのが理想的です。6月から7月にかけては、働きバチが増え、巣の規模も徐々に大きくなっていきます。この時期には、巣の直径が10cmを超えることもあり、ハチの数が増えるため、駆除の難易度が上がります。特に、働きバチが巣を守ろうと攻撃的になるため、不用意に近づくのは危険です。この時期に巣を発見した場合は、市販のハチ駆除スプレーを使用して、夜間に駆除するのが効果的です。ただし、巣が大きくなりすぎている場合や、高所にある場合は、無理をせずに専門業者に依頼するのが安全です。8月から9月にかけては、巣が最大の大きさになります。働きバチの数もピークを迎え、刺されるリスクが最も高まる時期です。この時期に不用意に巣に近づくと、ハチが集団で襲ってくることがあるため、個人での駆除は非常に危険です。巣の場所によっては、専門の駆除業者に依頼するのが最善の選択肢となります。また、巣がすでに手の届かない場所にある場合も、専門家に対応してもらうことで、安全に駆除を行うことができます。10月以降になると、気温の低下とともにアシナガバチの活動は徐々に衰え、冬になると巣は放棄されます。この時期の巣にはハチはほとんどいないため、残った巣を取り除くだけで済みます。ただし、翌年も同じ場所に巣が作られる可能性があるため、巣があった場所には防虫スプレーを散布し、予防策を施しておくことが大切です。